(in)visible, (in)vincible masks

メディア・インスタレーション | media-installation

2020

監視カメラのリアルタイム映像を用いた、インタラクティブな映像作品。鑑賞者の目を認識し、目だけを切り取った映像をタイムスタンプと共に記録・再生していく。マスクを着用していても、目は認識される。
新型コロナウイルスの流行により、ウイルスから身を守るためにマスクを着用した姿はいつしか当たり前となった。しかしウイルスの流行よりも前に、マスクが活躍した場面があった。
2019年の香港での反政府・民主化運動の際、多くの人々がマスクを着用してデモに参加していた。顔認証カメラによって身元が特定されるのを防ぐために、マスクで顔を隠していたのだ。
現在では香港デモは実質的に鎮圧され、またコロナウイルスの流行も相まってマスクをした状態での顔認証技術も開発が進みつつある。この作品のように目だけを切り抜いた画像からも、いずれ個人を特定することが可能になってしまうだろう。
日本でもスーパーシティ構想など、権力側によるテクノロジー活用が議題に上がっている。技術の進歩は短期的には便利さをもたらすが、同時に自由が脅かされる可能性を孕んでいる。